おジャ魔女A

クリスマス小D どれおん

クリスマスも、おんぷは仕事だった。
ファンへのクリスマス感謝コンクールも無事終わり家に着いたのは10時過ぎである。
コンクールの疲労のせいもあったが明日学校に行かなければ行けない。その為に体を休ませたかった。慣れていたが、小学生がこなすには少々厳しいスケジュールである。
「ふぅ…」
食事も風呂も済ませたおんぷはベッドに腰かけた。ため息を溢す。
疲れたといっても、いつものこと。そんなことを思いながら、また一つため息。芸能界は自分を高みに連れていってくれる。それが何より楽しいから続けていける。これからも、そうだ。だけど不満もある。
自分の努力がそのままはねかってくる芸能界の厳しさの中に居続けるのは、それなりの代償がある。でも、学校、MAHO堂、芸能界をすべて上手くこなすには疲労という形ではねかってくる。
でも、これは自分が望んだ場所だから手を抜くつもりはなかった。
でも、もっと時間があればいいのに…
そしたら皆と居られるし…彼の傍にだって…
不意に、仲間が笑いあってる場面が浮かんだ…
その中心には彼がいて…
おんぷは、座ったままの姿勢でベッドに倒れ込んだ。月の光が おんぷを照らす「みんなに…会いたいな…」もう二日も合ってない
たった2日なのに、ずっと会ってない気がして、みんなの輪の中から自分は取り残されていく気がして
「そんなはずないのに…ばかみたい…」
戻れば、いつも皆が笑顔で待っててくれる。
だけど不安は消えなかった。
自分が戻ったときには新しい話題で仲間たちが話していることがあって…
少し口数が減るのも自分で気づいていた。
自分には関係ない。
と奥歯を噛み締めることもあると決まって彼が傍にいてくれる。
何も言わずに傍にいて笑顔をくれるだけで優しい気分になれた。
彼と会わなければ自分は、どうしていたのだろう。
こんな夜を過ごさなくて済んだのかもしれない。
だとしたら彼の笑顔のせいだ。
自分が、こんなに胸がドキドキしたり苦しくなったりするのは。
なのに彼は、そんなことも分かってない。許せない。でも、おんぷは、彼の笑顔が大好きだし、彼の傍にいると暖かくて好きだった。「どれみ君…」
不意に呼び掛けていた

コツン
外から窓を叩く音が聞こえた
窓を開いて見ると
「どれみ君」
会いたかった彼がいた。

「おんぷ。コンサートお疲れさま」
そう言って木から飛び降り、ベランダに飛び込んできた。
「きょう、クリスマスパーティーだったからケーキ持ってきた。おんぷに持ってくって言ったら、みんなクッキーやサンタの人形やら入れて凄く豪華だよ」
そう言って小さな箱を渡す。
箱には皆からメッセージが書いてあった。

どれみ君は、どこか落ち着きなくて頬を掻いていた。どうしたのかな?
目が合うと彼は慌てたように
「そ、それよりコンサートどうだった?」

「うん最高だったよ」
とコンサートのことを思いだし頷いた。
あたしの帰りたかった場所に、やっと帰ってきた。
時間も過ぎ
「もう遅いから帰るよ」
そう言って木に飛び乗ったどれみ。
ホントは、もっといたいけど
「うん 気を付けてね」
でも彼は中々帰らなくて、「これクリスマスプレゼント」と言ってポケットから小さな袋を押し付けて照れ臭そうに帰っていった。
そんな彼の後ろ姿を見ながら照れ臭い気持ちになりながら袋をあけるとリボンが入っていた。
次の日、そのリボンで髪を結び、彼に会いに行った。彼は、昨日と同じように頬を掻きながら
「似合うよ」
と言ってくれて、私は嬉しくて彼に、しがみついた。


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