おジャ魔女

スタート【あいどれおん】

どれみ、あいこ、おんぷは、のんちゃんの墓参りに来ていた。

「ごめんな2人とも…つきあってもらって」

「「ううん」」

どれみ君の後ろを2人並んで歩いた。

「のんちゃん久しぶり。いま花かえるからね。」

どこか穏やかな顔をした どれみ君の横顔を見ながら、あたしたちは待っていた。

「のんちゃん…俺さぁ…すごく好きだったよ。のんちゃんの優しいところや、どんなに辛いことあっても笑顔でいる強さが好きだった」

どれみ君が、いま目の前に のんちゃんがいるように話しかけている。
あたしたちは黙って聞いていた。
ホントは胸が苦しいくらい切ないけど…。

「君を失ってから、恋をしないと決めた。笑わなくなった。でも、最後の最後にに君に言われたことを思い出したよ…【どれみ君には笑顔が似合うね……幸せになって欲しいの。好きな人と】。俺は勘違いをしてたんだね…君以外の子を好きになっちゃいけないと思った。君に怒られると思ったんだ。」

どれみ君の背中が震えているのがわかった。

「……俺、いま大切にしたいと思う子が2人いるんだ。」

えっ…思わず2人は声を出してしまった。
そして、どれみは苦笑して向き直って

「…瀬川おんぷと妹尾あいこ。2人とも頑張りすぎて気になるんだ。まあ…頑張りすぎて…自分を追い詰めることもあんだけど。
優しくて何に対しても一生懸命で…そのくせ、どこか脆いとこもあって…守りたいと思った。」

ドクンドクンと胸が高鳴っていくのが分かる。
顔が真っ赤になってるにちがいない。

「……今まで傷つけてごめんな。これからは恋から…君たちから逃げないから。」

どれみ君は悩んで悩んで、悩みまくって、私たちの想いに答えてくれた。

「…まあ、どっちを好きになるかは…君たち次第だけどね」

舌を出して、いじわるく笑う どれみ君。

私たちは、それぞれ腕に抱きついて

「<あいちゃん><おんぷちゃん>負けないからね!!そして、どれみ君 覚悟してよ」
と笑いながらいった。

俺たちの恋は、いまからスタートだ。


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