おジャ魔女

壊れた おんぷ【どれおん】

次の日どれみはMAHO堂にきた。
いつものように接客をこなし悲しみを見せなかった。
はづきから聞いた。
皆にノンちゃんのことを話したと――――。

みんなが思い思いに更けながら今日も終わった。

どれみは昨日休んだから、片付けは一人でするといい皆を帰した。

「ふぅ。これで終わりかな」
掃除も終わり帰ろうと思ったとき、おんぷがドアの前に立っていた。

「どうしたんだよ。みんなと帰ったんじゃないの?」と話しかけたら、おんぷが抱きついてきた。身体を震わせながら…

「どうしたんだよ!?おんぷ。」
離そうとしても、おんぷは抱きついたまま離れなかった。

「………好き。わたし、どれみ君が好きなの……」
泣きながら小さな声で訴える。
「………おんぷ。」

「どれみ君に忘れられない女の子がいるのは聞いた。でも……お願い私を好きになって。傍にいて」

わんわん泣き叫ぶ おんぷ。
おんぷにとって、どれみは全てだった。
辛い芸能界に入っても、どれみが傍にいたから耐えられた。
自分が、どれみの一番近い存在だと思った。
でも、どれみの一番は自分じゃなかった。
悲しかった…辛かった…。そして、おんぷの心が壊れてしまったのだ。

どれみは、そんな、おんぷを見てられなかった。

「分かった。分かったから!!傍にいるから…好きになるから!!」

そう言って、おんぷを抱き締めてしまった。
見ていられなかったんだ。
ノンちゃん…ごめんな。
自分のエゴだけど君を守れなかったから今度こそ守りたいんだ。

「ホントに好きになってくれる?」

「………あぁ。だから泣くな。」

俺は最低な約束をした。
おんぷを抱き締めてもノンちゃんのことを想っているのだから…。



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