セーラームーン

貴方は私のものでしょうA【美奈うさ】

わたしには無くなった記憶があるみたい。
わたしが多重人格なのか。記憶喪失なのか。
わたしに似た人の話なのか。解るのは愛野君にとって、その人が唯一想ってる相手ということ。いつも愛野君が私を通して私じゃない人を想ってる。今夜の満月を見ていたら思い出せそうな気がして外に来たのに…何も思い出せない。思い出すのは、彼の顔ばかりだ。思い出して、彼の悲しむ顔をさせたくないのに。
美奈「見つけた。何してんだよ真夜中に」
うさぎ「…ごめんなさい」
美奈「謝らせたい訳じゃない。そんなに俺が側にいるのが嫌かよ。そんなに嫌いだから外に出たのか?………うさぎの記憶が消えて数ヶ月。さっきレイにいわれてだいぶ頭が冷えた。顔を見たくないほど俺が嫌ならはっきり言え。……そしたら俺はお前の前から消える」
うさぎ「外に出たのは…月がきれいだったから。愛野君は関係ない。」
美奈「……あの月王国が滅びたときのことを覚えてるか?」
ドクン…ドクン…
美奈「お前が愛した王国で、どんな風に生きて、死んで…家族、仲間、王国の人々、俺のこと…」
うさぎ「………分からないよ」
美奈「―もう最後にする。話をしたいだけだ。」
最後…やっぱりどこを探しても記憶がない。セレニティになれない。
うさぎ「愛野君がそうしたいなら……」
[だめよ。迷ってもいい。でもほんとに大切なら決して手放しちゃだめよ。]
えっ…月から声が聞こえた気がした。
ほんとに大切な…
うさぎ「もし、愛野君が川に飛ばされたら…」
美奈「……は?」
うさぎ「誰が止めても私は助けにいく。川に連れ去れたら追いかける。」
美奈「もしもし、うさぎさん。意味がわからん。」
うさぎ「セレニティにも渡さない。………私のものなの。貴方は私のものでしょう。―――記憶をなくしたのに、いつもあなたの顔しか思い浮かばない。」
美奈「くっくっ(笑)全く何度も俺を惚れさせやがって…そうだ俺は、うさぎのものだ」
うさぎ「わたしは月野うさぎなの。もうセレニティは戻らないよ。それでも」
美奈「―――もういい。思い出さなくていい。うさぎがうさぎであればいいんだ。」
うさぎ「これからはわたしのために側にいて。離れないで。」
美奈「(抱き)ばか当たり前だろ。話さねぇよ。おれ、好きになったらとことん一途だぜ。」
END
************某マンガから作ってみました。
ああ、きっと前世が美奈たちが男の子で騎士だったら面白いだろうな(笑)

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